高校までサッカーをやっていた私は、サッカーを続けるためにキャタピラーという会社を選びました。思い返せば、どんな仕事がしたいかなんてことは二の次でしたね。仕事をやりながら社会人サッカーの県リーグで年間30試合ありましたから、若いときは仕事とサッカー以外、ほとんど何もする暇がありませんでした。これこそまさに「NO LIFE NO FOOTBALL」ですね。 最初の仕事は生産ラインでの組み立てでした。ひとつの部品を付ける作業からはじめて、慣れる度に作業がひとつずつ増えて行くというスタイルでだんだん仕事を覚えていくんです。 私はフォワードだったんですが、点を取る為にはあらゆることを考えます。この癖が作業をするときにも抜けないんですね。どうしたら人より早くできるかとか、いまよりクオリティを上げる方法はないかとか、考えずにいられない。負けず嫌いってやつですかね。つねに何かに挑戦していないと気が済まないんです。 そんなことをやり続けて、最終的にはキャタピラーの建設車両のうち、15台くらいを自分ひとりで組み立てられるようになりました。