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エアロパーツ職人から、消防車の装備担当へ。
作るものはだいぶ地味になったけど、
描く未来は、大きく広がった。

装備担当/神保 紀之[じんぼ・のりゆき]

1987年生まれ。2008年日本工学院八王子専門学校情報処理科卒業。
世界でも名を知られる乗用車のエアロパーツ製作会社へ就職。結婚して子供が生まれたのを機に転職を決意し、2017年友人の紹介で飛鳥車体に入社。消防車の室内装備の製作に従事。

好きなことを仕事にして、
自分をすり減らしてしまうこともある。

 子供の頃からクルマが好きで、早くから「クルマいじり」に凝ってました。高校を卒業後、情報処理の専門学校に進みましたが、いざ就職を考えた時一日中コンピュータに向かう仕事が自分に向いているとは思えず、思い切ってエアロパーツ制作会社の門を叩きました。元々経験があったし、その会社も人手不足だったので、即採用されました。
 好きなことを仕事にしたわけですから、最初のうちは夢中でした。仕事はすごくきつくて昼も夜もないくらいに働き詰めでしたが、業界トップクラスのモノづくりは誇りでしたし、他のことは何も目に入らなかったですね。でも20代も半ばを過ぎた頃になると、少しずつ自分がすり減ってきているのを感じるようになりました。会社で周りを見渡せば誰もが一心不乱に仕事をしています。でも、その姿はまるで、全員が「自分」というものをすべて仕事に捧げているようでした。その会社ではそうすることが当たり前でしたが、誰もがそれを受け入れられるわけじゃない。だから、若い人が入ってきても、長続きせずにすぐ辞めてしまいました。やっている仕事は素晴らしい。でもこの会社は、果たして「いい会社」なのか、と考えた時、僕はあまり肯定的には考えられなくなっていたのです。
 仲の良い友人から、自分の勤める会社で人を探している、という話を聞いたのは、ちょうどそんな時期だったんです。

一見地味だけど、
アイデアで勝負するクリエイティブな仕事。

 飛鳥車体は全国の消防車のおよそ6割を作っている会社です。僕が所属する製造課は、専門分野ごとに、電気系統、板金、塗装、装備と4つの課があって、僕の担当はキャビンの中のシートをはじめ、室内灯や収納ボックスなど多種多様なアイテムを扱う装備課です。
 前の会社では僕は自ら作業していましたが、この会社では実際に作業を行うのは協力会社の職人さんたちです。僕たち製造課のスタッフは営業が受注してきた案件の仕様書に基づき、お客さまの依頼内容を正確に職人さんたちに伝え、期待通りの品質を実現するというのが一番メインの仕事です。
 飛鳥車体の装備品はカタログに豊富にラインアップされていますが、既成品以外の要望が出されることも少なくありません。そうした時には装備担当の僕が新たに試作品を作ってお客さまにご提案します。僕は前の会社でドレスアップをやっていたので、その際に機能だけじゃなくて「見映え」へのこだわりを捨てきれません。最近キャビン天井に設置する収納棚を依頼されたのですが、蓋にパンチングでドット穴を開け、シルバーで塗装したら「カッコいい」と大変喜ばれました。こうした特注品だけでなく、カタログに載せるラインアップも毎年更新されるので、暇さえあれば新製品のアイデアを練っています。

目先のことだけでなく、より大きなテーマについて
考える時間をこの会社はくれた。

 前の会社では22時以前に退社した記憶はほとんどありませんでしたし、日曜日はまだしも土曜日に休んだ記憶もほとんどありませんでした。でも飛鳥車体ではいちばんの繁忙期の11月でも、残業は月60時間(3時間/1日)程度。当番制 での土曜出勤が年に数回ある程度です。飛鳥車体に入ってからは、ゆっくりと考える時間ができました。前の会社の時は目先のことしか頭にありませんでしたが、今は長期的なスパンでものを考えることができるようになりました。
 自分の中で最大のテーマといえば、この会社を支えている「人の力」を保ち続けるにはどうしたらいいか──つまりサステナビリティ(持続可能性)ってやつですね。まずいちばんの課題は、高齢化の進む職人さんたちのノウハウをどうやって継承するかということ。また、同業他社に負けない製品を作り続けるためには、僕たち社員の知識やノウハウを持続的に向上しなければなりません。そのためには何が必要なのか。どちらも簡単に答えが出ないし、自分一人でなんとかできる問題でもありません。でもこうした大きなテーマに取り組むことで、仕事のやりがいは、より大きくなるはずです。
 そして、こんな風に一介の社員が会社全体のことを考えて仕事をしている会社は、きっと「いい会社」なのだと、僕はいま思っています。


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